
とにかくB級映画と呼ばれるジャンルが大好きで、とりわけ70〜80年代のものが大好物です。もちろん後にヒットメイカーとか巨匠と呼ばれるようになったジョン・カーペンターやデヴィッド・クローネンバーグ、ジェームズ・キャメロンらの初期作品には格別の思い入れがあるし、彼らがビッグになる前からその才能に注目していたという自負もある。低予算作品こそ、監督のセンスや技量の見せ所だし、後に花開く才能の片鱗が見えるのもすこぶる楽しいものです。
しかしそんな作品たちはB級作品のごく一部であり、そのほとんどは注目も再評価もされずに人々の記憶から消えていく運命にある。まさに「知る人ぞ知る」作品となっていく。今回紹介する作品も恐らくそんな1本と言えるだろう。
ネット情報によると、この1986年オーストラリア映画『デス・ゲーム ジェシカの逆襲』は、日本では劇場公開されず、イベントで上映されたのみで、深夜枠でテレビ放送されたものを観た人の数の方が圧倒的に多いようだ。そんな作品でありながら、「意外と面白かった」という印象を持っている人がいっぱいいるのだから世の中捨てたものではない。
というわけで、製作から約40年も経とうとしているというのにUHDリマスターのBlu-ray&DVDが発売された。Amazonのおすすめにこの作品が出てきた時、一目で僕好みの作品だと思ったが、買うのを1年以上も躊躇してしまった。人並みに「とんでもない駄作だったらどうしよう」と思ってしまったのだが、うかうかしていると市場から商品が消えてしまいそうなので観念して購入。届いたその日にワクワクしながら鑑賞したが、まあ予想通りのグダグダ感と楽しさをたっぷりと味わうことになった。
オーストラリアの動物保護区で馬や犬、鳥たちとともに暮らしているジェシカは、車で街への移動中に、改造車に乗る3人の男たちに遊び半分であおられてしまう。鼻っぱしの強いジェシカは男たちに抵抗するが、そのことが男たちに火をつけてしまい、ジェシカは彼らに執拗に襲われることになる…というストーリー。
もちろん、サブタイトルにあるように後半はジェシカが反撃に転ずるわけだが、まあ見事なB級映画である。もう少しずつ脚本と演出を練れば『マッドマックス』までは行かなくても『マッドストーン』くらいまでは近づけそうな題材なのに、惜しいところでグダグダになってしまっているのが何とも愛らしい。
一人暮らしの若い女性VS荒くれ男3人という、これ以上ない単純なプロットなのに、それぞれのキャラクターの感情が全く掘り下げられず、行動の動機がゆるゆるなので、まったくサスペンスが生まれないのである。実にもったいない。
西部劇のような広大な大地での対決になるので、キャラクターやセット、登場する車のショボさはそんなに気にならないが、肝心のアクションシーンがどうにもこうにもキレがなく、高揚感が生まれないのもトホホである。
それでも後にタランティーノが『デス・プルーフ』でオマージュした、ジェシカを半裸にして改造車のボンネットに縛り付け、荒野を疾走するシーンなど印象的なショットもいくつかあったりして、才気がないわけでもないというところが実に憎めない笑。

まあ結論を言うと、深夜に何となく観たら意外と面白かった的な映画で、尺も82分と観やすいし、エロもアクションも程よくあるし、そもそも本気になって怒るほどのこともない小品と言う感じ。けなしてばかりのように思うかもしれませんが、僕はこのBlu-rayを買って損したとは1ミリも思っていません。「何年かしたらまた観たくなっちゃうかもしれないな」くらいの魅力は十分あります。『デス・プルーフ』や『マッドストーン』や『ヒッチハイク』や『REVENGE リベンジ』なんかが好きな人にはぜひ観てほしい、いにしえの作品です
『デス・ゲーム ジェシカの逆襲』監督:マリオ・アンドレアッシオ 2025年12月17日 Blu-ray字幕版にて鑑賞
蛇足的追記:
🔳Blu-ray画質は可もなく不可もなく。元々が80年代のフィルム撮影なのでこんな感じでしょう。パッケージのイラストはこのBlu-rayのために描かれたのでしょうか?とてもいいです。このパッケージイラストに惹かれてこのBlu-rayを購入したと言っても過言ではありません。
🔳僕は少し前にAmazon primeで『REVENGE リベンジ』(2017年)を観ましたが、ほぼ同じような映画でしたね笑
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