タグ: ジェームズ・ブローリン

  • こんな撮影して本当に大丈夫なのか?と心配になる45年前の傑作『ジャグラー ニューヨーク25時』

    今回公開された4K修復版のポスタービジュアルです。カッコいいけどちょっと上品すぎるかな?

    この映画が公開されていた1980年当時、僕の住んでいた街には映画館が2館しかなく、上映できる作品は限られていて、大衆向けの大作・話題作が中心だった。この『ジャグラー ニューヨーク25時』もテレビ(確か日本テレビの「TVジョッキー」浜村淳の映画紹介コーナーだったと思う)で紹介されていてぜひ観たいと思っていたのだが、そのためには2時間かけて県庁所在地の町まで出かけなければならず、断念していた。

    資料によるとその後、VHSになったきりで、DVD・Blu-ray化はおろか配信もされていない幻の映画になってしまったとのことで、テレビ放送などもされたのだろうが僕は見逃してしまっていた。

    と言うわけでなんと公開から45年!4Kリマスター版としてやっと劇場の大スクリーンで観ることができることになったのだ。感無量です!

    シングルファーザーの元警官・ボイドは、学校に送る途中の娘キャシーを何者かに連れ去られてしまう。誘拐犯はキャシーを富豪の娘と間違えたのだ。ニューヨークの街を混乱させながら必死に誘拐犯を追跡するボイドだったが、そのために警察からも追われる羽目になってしまう…というストーリー。

    とにかく冒頭から展開する市街地での激しい追跡劇に圧倒される。おそらくセントラルパークの周辺と思われる通りを使って、車を何台も乗り換えてのカーチェイスや、地下鉄なども使って延々と逃げる誘拐犯とボイドの追跡劇が描かれるのだが、混乱に巻き込まれるニューヨークの人々の反応が、まるでゲリラ撮影しているのではないかと思うほどの臨場感だ。なんてったって大勢の市民がいるのに、警官が街中でライフルをぶっ放したりするのでもうメチャクチャです笑。あれは当時でもダメでしょ笑。

    物語はボイドの追跡を描きながら、彼がなぜ警察を辞めたのか、犯人はなぜ誘拐を行ったのか、などの事象が少しづつわかるような仕掛けになっていて実にワクワクさせてくれる。その過程で当時のニューヨークがどんな様子だったのか、人々はどんな問題を抱えていたのか、といったようなことがうまく盛り込まれていて、人種のるつぼである当時のニューヨークの街そのものが、よくわかるようになっているのが実に興味深い。

    主演は僕の生涯ベスト映画の1本『カプリコン・1』の主演:ジェームズ・ブローリン。ジョシュ・ブローリンのお父さんである。タフだけど頭もキレる父親という役柄にピッタリのイメージで素晴らしい演技と存在感。カッコいいです。その他のキャストも、スターではないけれど色々な映画で見たことあるなという感じの名脇役たちが適材適所の演技を見せてくれる。

    4K修復版とはいえ70〜80年代の映画なので、今のデジタル撮影の映画みたいなキレイさはない。むしろフィルムグレインが目立つ粗い感じの画質なのだが、それがむしろこのワイルドな映画の雰囲気や、当時感にピッタリ合っていて効果的だ。

    まあとにかく今までDVDやBlu-rayになっていなかったのが勿体無いほどの面白さだった。これはまさに幻の傑作。未見の方はぜひ。

    『ジャグラー ニューヨーク25時』監督:ロバート・バトラー 2026年1月18日@シネマート新宿 スクリーン1

    1980年公開当時のチラシのビジュアル。雰囲気はとても映画に合っていますね。

    蛇足的追記:

    🔳実はこの日のシネマート新宿では、1974年公開、ピーター・フォンダ主演の『ダーティ・ハンター』も上映していた!これもはるか昔『月曜ロードショー』で観て面白かった記憶があるけど、それ以来観ていない“幻の映画”の一つ。こちらは公開50周年らしいです。いや〜これは観たいね〜笑

    これが今回のポスタービジュアル。センスいいです。
    こちらが50年前の公開当時のポスタービジュアル。最高ですね。「ジョイパックフィルム配給」が泣かせます。当時ピーター・フォンダのアクション映画は本当にどれも面白かった。