タグ: 深田晃司

  • 更新サボっていたので1月後半の分をまとめて一気にレビュー!

    1月22日(木)『コート・スティーリング』@ユナイテッドシネマ浦和 スクリーン3

    『ブラックスワン』『ザ・ホエール』のダーレン・アロノフスキー監督最新作。隣人の飼い猫を預かったことから、マフィアに脅迫される事態に陥った青年の姿を描く

    ダーレン・アロノフスキー監督の作品では『レクイエム・フォー・ドリーム』がお気に入りで、以来基本彼の新作は必ず観ることにしている。さまざまなジャンルを手がける監督なので、今回も新境地と捉えることができるし、そういう意味ではなかなか興味深かった。原作があるのでストーリーはしっかりしているし、オースティン・バトラーのダメっぷりや、レジーナ・キングのいいオンナ感、その他のキャストも個性派揃いで入場料分は十分楽しめる。

    ただ、こういう「裏社会に巻き込まれた顛末」みたいな作品は、どうしても『パルプ・フィクション』などのタランティーノ作品が強烈すぎて比べてしまうので、「これはダーレン・アロノフスキーが撮るべき作品なのかな」と思ってしまったのも事実。少なくともこの作品からは「彼らしさ」「彼ならではの面白さ」みたいなものはあまり感じられなかった。ちょっともったいない。

    1月29日(木)『恋愛裁判』@TOHOシネマズ池袋 スクリーン7

    (※ネタバレ注意。結末に触れます)

    『淵に立つ』『よこがお』など、国際的にも評価の高い深田晃司監督の最新作。アイドルの恋愛の是非を問う裁判という、とてもユニークなテーマに挑んでいてなかなか面白かった。観た後でみんなでワイワイ議論できるタイプの映画です。

    主演は元日向坂46の齊藤京子。脇を唐田えりかや津田健次郎が固める。

    まず主人公が所属しているのが「秋元康プロデュース」や「ハロー!プロジェクト」のようなトップグループでない、B級感あるグループなのが良かった。なので芸能事務所的にはスキャンダルは死活問題だし、損害賠償などは切実であろうことが画面から伝わってきて、実にリアルだった。物語は「まあ、そうなるだろうな」という展開なのだが、観ている間アイドル側にも共感するし、事務所側の事情もわかるし、という感じでなかなかスリリングです。

    僕の不満点は、「それを言ったらキリがないだろう」と自分でも思うので参考程度に読んでほしいのだが、まず「齊藤京子は芝居はちゃんとしているが、可憐さがちょっと足りないな」ということ。彼女は現役時代から肝が据わっているタイプだったので、だからこそ、この難しいテーマの映画の主演を張ることができたのだと思う。だけどこの主人公に「折れてしまいそうな繊細さ」があったらこの映画はさらに深くなったのではないかと思ったのも事実。

    あと深田監督の映画にしては「あまりエグくなかった」のが不満だ笑。これまで深田監督の作品は人間の中の「どす黒さ」みたいなものをしっかりと描いていて、それが僕にとってはとても魅力的だった。だが今回は「そういうものはあまり必要ない」と判断されたのか、割とサラッとしている。特に裁判における金の話や、原告側弁護士が具体的な行為の事実確認をしようとするところとかは「もっとグリグリやっても良かったのになあ…その為の齊藤京子じゃなかったのか?」と、少し物足りなさを感じてしまったのは事実。

    とは言え、ラスト近く、齊藤京子の恋人が「日和る」ところとか、裁判が意外と拍子抜けするような結末になるのも深田監督らしいリアルさですごく興味深かった。

    あと芸能事務所のマネージャー役・唐田えりかはとても素晴らしかった。やはり本物のスキャンダルを乗り越えた者にしか出せない凄みもあったし、いかにも「アイドル上がりのマネージャー」という感じが最高でした。そして出番もセリフも少ないけど津田健次郎もさすがの存在感だった。こういう作品はリアルさが命だから、そういう部分が嘘っぽくないのはやはり深田監督という感じ。

    1月30日(金)『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』 @MOVIX川口 シアター1

    富野由悠季原作による劇場版アニメーション『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』シリーズ第2作。監督は村瀬修功。それにしても1作目が2021年の公開だからなんとその間5年である。もう少し製作のテンポを上げてくれてもいいのに、と思うが、ガンダムファンはクオリティ優先だからいくらでも待つのだろう。このペースだと完結編の第3作は2031年か。何とも遠い未来の話になりそうだ。

    第1作はとても素晴らしくて、冒頭のテロ制圧アクション、中盤のダバオ襲撃シーン、後半のクスィーガンダムVSペーネロペーの海上決戦と見応え十分。エンディングテーマの[Alexandros]まで隙のない展開で、2部3部への期待を十分に感じさせる素晴らしい出来だった。

    さて今回の作品はというと、僕は原作を読んでいるのだが、それでも「あれ?どういうこと?」というシーンが多かった。いわゆるこの作品は「明るくスカッとしたアニメ」でないことは十分承知しているが、それにしても不親切な描写や暗い場面表現が多すぎる。キャラクターの行動がどうなったのかよくわからないのだ。あと『逆シャア』回想がしつこい笑。

    そう、とにかく画面が暗いのである笑。1作目も暗かったが、そんなに気にはならなかった。今回はなぜか本当に暗かった印象。特にモビルスーツ戦が全然よく見えない。新型ペーネロペーなんてパンフレットを見て初めて「こんな形だったのか」と思った程。これって劇場の当たり外れがあるのだろうか?IMAXだったらもう少しはっきり見えるのだろうか?

    もうちょっとお客さんにわかりやすくしてあげてもいいのに。富野さんは怒らないのかな。

    あとパンフレットが1200円もしたのだが、手抜きもいいところである。1作目はスタッフのコメントやプロダクションノート、設定や場面説明などもあって盛りだくさんだったのだが、今回のパンフは声優のコメントが載っている程度で、場面スチールも小さいし少ない。しかも広告でお茶を濁している。1作目のパンフと比べたらかなりひどい出来である。

    唯一の救いは入場者プレゼントがハサウェイ&ギギバージョンだったこと(僕は男なのでギギ推し)。でもまあとりあえず、もう1回は観に行こうかな(ガンダム世代笑)。